眼の病気ガイド
  • 文字サイズ変更
  • Small
  • Medium
  • Large

甲状腺ガン

甲状腺ガンについて

甲状腺ガンは、日本人に非常に多く、1000人に1人の割合でかかっているといわれています。特に女性では、子宮ガン、乳ガン、胃ガンに次いで4番目に多く発見されているほどです。(男性では5番目)でも、あんまり「甲状腺ガン」って聞きません。その理由は、「甲状腺ガンは死亡に繋がるケースが比較的少ないから」ですが、安心することはできません。医師によって発見できる率に違いがでてくる上に、放っておくと悪性に変化する可能性もあるからです。自分でチェックするなど、早期発見のための知識を身につけ、甲状腺ガンから命を守ることが大切です。

甲状腺ガンについて

ほとんどはおとなしい乳頭ガン

甲状腺は新陳代謝に関わりのある臓器で、ホルモンを分泌する内分泌腺です。女性と男性によって位置は少し異なり、女性は首の中央あたりに、男性はそれより少し下の首から胸にかけてあります。形は、蝶が羽を広げたような感じです。

この甲状腺が侵されてできたガンの総称を「甲状腺ガン」と呼び、いくつかの種類に分かれています。

乳頭ガン

日本人がかかる甲状腺ガンのうち、最も多いのがこの乳頭ガンで、全体の80~90%を占めています。

腺ガン(分泌液を出す上皮からできるガン)の一種で、早い時期は、良性腫瘍(腺腫や腺腫様甲状腺腫)と同じように、単にしこりがあるだけです。

発育がゆっくりで、何年経ってもほとんど変化がないこともあり、比較的たちのよい、おとなしいガンと言えます。また、大部分の乳頭ガンは手術で治ります。

ただし、ある時期から急速に進行し、未分化ガン(悪性度の高いガン。後述)に近い性質に変わることがあるので、安心はできません。進行が遅いわりに、リンパ節への転移がよく見られるのも特徴です。

進行すると周囲に浸潤し、気管や神経、食道を圧迫するため、息苦しい、声がかすれる、ものが飲みこみにくいなどの症状が出ます。

濾胞(ろほう)ガン

乳頭ガンの次に多い甲状腺ガンで、全体の10%ほどを占めています。乳頭がんと比べ、周囲のリンパ節への転移は少ないのですが、肺や骨など、離れた部位に転移する傾向があります。

首にしこりがあるだけの場合がほとんどで、しこりを超音波(エコー)などで見ても、良性との区別がつきにくく、診断がむずかしいのが特徴です。

髄様(ずいよう)ガン

甲状腺ガン全体の2%を占めます。甲状腺の内、血液中のカルシウム値を下げる働きをするホルモンをつくりだすC細胞がガン化するガンで、3分の1は遺伝が原因で起こります。

未分化ガン

甲状腺ガンに占める割合は1%ぐらいですが、非常に悪性度が高く、急激にしこりが大きくなり、死亡する率が高いガンです。

多いのは健康診断で偶然発見

専門医なら触診で、ある程度の診断ができますが、さらに精密な検査は超音波診断装置を使います。超音波診断装置ではしこりの中の状態を探ることができます。確定診断は、細い針で患部の細胞を吸い取って顕微鏡で検査し、ガンの種類まで区別することまで行われます。

「最近は、健康診断で頸動脈エコーや頸胸部CTを行われるようになり、偶然に甲状腺 結節(しこり)が見つかる方が増えました」と語るのは、甲状腺疾患を専門に診る伊藤病院の伊藤公一院長です。

健康診断以外では、やはり自分で発見する率が高くなります。自分の体に変化を感じ医師に相談するのはやはり自分自身ですからね。

発見の決め手は「しこり」です。しこりに気付くことは、早期発見のための第一歩です。のどがおかしいと思うとつい内科や耳鼻咽喉科のドアをたたいてしまいがちですが、甲状腺ガンを疑って内分泌全般、甲状腺の専門医に診察を受けてみるのはどうでしょう。

そして定期的に自分でチェックしてみることもお勧めします。

甲状腺ガン自己チェック法

・指で触ったり、つばを飲み込んだりして、のどにしこりができてないかを確かめる
(しこりがあったとしても、悪性のガンである場合は5人に1人くらいの割合なので心配しすぎないこと)
・異常を発見したら、内分泌外科や内分泌内科の医師の診察を受ける
・半年に1回は自己チェック

治療は手術が第一選択肢

甲状腺ガンの治療方法としては、外科療法(手術)、放射性ヨード療法/放射線療法、化学療法(抗癌剤)などがあり、このうち未分化ガンを除く他の甲状腺ガンでは外科療法(手術)が第一選択肢になります。

外科療法(手術)

治療の基本となるもので最も確実な治療法です。甲状腺は左葉と右葉、その中心にある峡部に分けられます。がんの拡がり具合によって切除範囲が決まり次の方法があります。

◎葉切除術
甲状腺は蝶が羽を広げたように二葉からできていますが、このうちがんが認められた片側だけを切除する方法です。また片側のリンパ節も同時に切除し、がんがリンパ節に転移しているかの検査(生検)をします。

◎甲状腺亜全摘術
少しの部分を残して大部分の甲状腺を切除する方法です。リンパ節の検査もおこないます。

◎甲状腺全摘術
甲状腺全体を摘出する方法です。

全摘手術の後は、甲状腺ホルモンがつくられなくなりますので、一生、甲状腺ホルモン剤を服用しなくてはなりません。とはいえ、甲状腺ホルモン剤は、身体でつくられているホルモンと同じ成分なので、適正に飲んでいる限り副作用はありません。

◎リンパ節郭清術
ガンが転移している頸部リンパ節を切除する方法です。

放射性ヨード療法/アイソトープ療法

甲状腺がん特有の治療方法で、甲状腺だけが体内でヨードを取り込む性質があることを応用したものです。

甲状腺全摘出後に、ヨードに放射能を付けたものを内服すると、甲状腺由来の部分、つまり甲状腺がんの遠隔転移部位に取り込まれる可能性が高く、そこで放射能を放出すればがん細胞が壊死するという仕組みです。

放射線照射療法、化学療法

放射線照射療法は、頚部の外から放射線をあてて、ガン細胞を約治療法です。また化学療法は、抗がん剤を用いる治療法です。

未分化ガンのように、進行が早く、手術をしてもガン細胞を取りきるのがむずかしい場合や、甲状腺全摘手術のあとに残っているガンを大きくしないために、手術と併用して行われます。

まとめ

大部分は「おとなしい」ガンですが、放置すると危険なガンに変化する可能性もあるのが甲状腺ガンです。

◎日本人の1000人に1人がかかる
◎90%は乳頭ガンで、手術で治すことが出来る
◎全体の1%にあたる未分化ガンは危険なガン
◎集団検診でたまたま発見されることが多い
◎自己チェックの決め手は首のしこり
◎治療の第一選択肢は手術

以上の6点を覚えておきましょう。

不快な目の症状、血行障害が原因かもしれません!