眼の病気ガイド
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ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群について

皆さんは「ネフローゼ症候群」をご存知ですか?今はじめて知ったという方が多いかと思いますネフローゼ症候群は、腎臓機能の低下によって引き起こされ、年間1,000人程度が発症するまれな病気です。その病態は長らく不明とされていましたが、近年、東京大学の野入英世准教授らにより、ネフローゼ症候群に関わる重要な遺伝子が発見され、新しい治療法や予防法などの開発が期待できるとして、注目を集め始めました。今回は「ネフローゼ症候群」について、ご紹介いたします。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群セルフチェック

・さいきん、急に体重が増えた
・まぶたや全身がむくみがちだ
・なんだか、全身がだるい
・手足の指先が、太くなった
・尿の量が減った気がする

上記の内容に1つでも当てはまる人はネフローゼ症候群の可能性がありますので要注意です。

ネフロンって何?

尿は血液から作られていますが、その生成器官にあたるのが腎臓です。一日の尿量は、たいてい1リットルから2.5リットルと言われていますが、これはドラム缶1本分の血液をもとに作られています。
腎臓は毎日、約200リットルもの血液をろ過して、そのわずか1%程度を尿として濾しているのです。そのろ過作業のかなめになるのが、腎臓の中の「ネフロン」という器官です。
ネフロンは糸球(しきゅう)体という毛細血管が集まっている組織で、血管から尿の材料となる排泄物や毒素を取り除くザルのような存在です。このネフロンがあるからこそ、大量の血液から不要な尿の成分だけを濾しとることができます。

ネフローゼ症候群って?

ネフローゼ症候群は、このネフロンに異常が起こることで発生します。何らかの理由でザルが壊れてしまうことによってネフロンの目が粗くなってしまい、本来であれば、血液中のたんぱく質をはじめとする漏れ出てはいけない成分が尿に漏れ、正常な尿が作れなくなってしまうのがネフローゼ症候群の正体です。
現在日本では年間およそ1200人がネフローゼを発病しています。小児も多いのですが、働き盛りの30代の男女にも多く発生するといわれています。一昔前には治療法がなく、なかなか救命できない病気でしたが、近年の医学の発展により、完治は難しくとも何とか共存できる病気へと変わってきています。しかし、まだまだ完治への道は遠く、新薬や新たな治療法の開発が待たれているのが現状です。

症状

ネフローゼ症候群になると、様々なものが尿として流れ出してしまいます。その最たるものがタンパク質。タンパク質が尿に漏れ出ると、当然血液中のタンパク質が減ってしまいます。タンパク質は体の水分のバランスを調整する働きがあるため、大量に失われることで、体液のバランスが崩れむくみや胸水や腹水などが出現します。それに伴い、虚脱感や倦怠感を伴うことがあります。さらに進行すると尿自体が産生できなくなり、体重の減少なども現れることもあります。

ネフローゼ症候群の種類

ネフローゼ症候群には以下の4つの種類があります。

微小変化型ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群の中でも一番多く、成人の40%がこのタイプだとされています。とつぜん、たんぱく尿と低たんぱく血症が生じ強いむくみが現れます。ネフロンの変性や破壊が少ないため、治る事は多いですが再発もまた多いのが特徴です。

膜性腎症(まくせいじんしょう)

成人のネフローゼ症候群の25%がこの膜性腎症と言われ、ネフロンに沈着物が生じ、壁が厚くなってしまうのが特徴です。色々な薬を使っても治りにくいことも多く、長期的には腎機能そのものが低下 してしまうこともあります。

膜性増殖性糸球体(まくせいぞうしょくせいしきゅうたい)腎炎

小児~青年期に発症しやすく、難治性で予後が不良と考えられています。発症原因の詳細は不明で治療法はいまだ確立されていません。

巣状糸球体硬化症(そうじょうしきゅうたいこうかしょう)

微少変化型ネフローゼ症候群に似ていますが、病状が、比較的軽い状態でとどまることもあるのが特徴です。腎臓のはたらきがしだいに失われていくことが多く、一般的に、10年後には人工透析が必要な状態になることが多いといわれています。

このほかに、膠原病などほかの病気が原因で起こる二次性ネフローゼがあります。

治療

ネフローゼ症候群

治療は、食事療法と安静が第一のため、多くの場合患者さんは入院を余儀なくされます。
二次性ネフローゼ症候群の場合は元となっている病気を治療することである程度の症状の改善がみこまれますが、膠原病などの根治治療そのものが難しい病気の場合、治療が数十年に及ぶ長丁場になることも珍しくありません

食事療法

塩分制限と高たんぱく質を中心としたメニューになります。理由として、食塩に含まれるナトリウムは、血液濃度を高めるため腎臓への負担が大きくなるためです。また、血中から失われるたんぱく質を補うために、たんぱく質を充分にとる必要があります。退院後も、これらに気を付けた食事をとることが推奨されます。

投薬治療

副腎皮質ホルモンであるステロイド剤を使用することが多いです。絶大な効果を発揮しますが、症状を抑えるのがメインであるため、なかなか根治には至りません。ステロイドの他には免疫抑制剤や血圧降下剤などが使用されます。
ネフローゼ症候群はいったん治癒したかのように見えても再発することの高い病気です1回の治療で終わる人は全体の30%程度で、しかも1度再発すると2度3度と再発を繰り返してしまう人もいり、長い付き合いになる患者さんが少なくありません。しかし、以前に比べて治療法は格段に進化しているため、早期発見早期治療ができれば過剰に恐れる必要はありません。学校や会社の検診で、尿たんぱくの検査から見つかる方もいます。検診の際は気を付けてみるといいでしょう。

まとめ

・尿は、毎日ドラム缶1本分の血液を濾して作られている
・ネフローゼ症候群は、ネフロンという腎臓機能が障害されたことによっておこる
・ネフローゼ症候群には4つの種類がある
・治療法はいまだはっきりと確立していないが、治療により症状を緩和させることができる
・尿たんぱくの検査で見つかることがある

今回を機に、普段あまり意識することのない「腎臓」について関心を持ってもらえれば幸いです。

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