眼の病気ガイド
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尿管結石

尿管結石について

人間が経験する病気の痛みで“最強”と恐れられるのが尿路結石の痛みです。

都内の大学病院で広報を務めるTさんも、数年前その痛みを経験しました。

「夏だったんですけどね、忙しくて、文字通り寝食惜しんで働きまわっていました。水分もあんまりとらなかったなぁ。それがいけなかったみたいで、突然、背中から脇腹、下腹部にかけて激痛が走ったんです。もう七転八倒ですよ。幸い、勤務先は病院ですからね。すぐに泌尿器科に運ばれて手当てをしてもらえましたが…。もうあんな痛みはこりごりです」(Tさん)

Tさんはその後、定期的に検査を受けていますが、最近またも〝兆候“を発見。

「発作は夏が危ないんですよ。汗を多くかくため水分不足から、尿が濃縮して結石ができやすい。石を大きくしないよう、生活に気を付けているんですけどね、戦々恐々です」(Tさん)

今回は「尿管結石」についてご紹介します。

男性患者は女性の1.6倍

尿管結石は、単純に言うと「尿管に石が詰まる病気」です。
食事や生活習慣の変化などに伴って、患者数は増加し続けています。

2005年の全国疫学調査では、上部尿路結石(腎結石、尿管結石)の人口10万人当たりの年間罹患数は男性192.0人、女性79.3人で、1995年に比べると男性は1.6倍、女性は1.7倍になります。
男性の生涯罹患率は15.1%で、7人に1人は罹患する計算です。

上から腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と石の発見される部位で呼び方が異なりますが、 約95%は腎臓と尿管で発見されます。
それが尿の流れにのって尿管に降りてくると、Tさんのように、背中から脇腹、下腹部にかけて耐え難く差し込む激痛に見舞われます。
激痛に加え、悪心、嘔吐、腸管の麻ひなど 自律神経症状を伴うことも多く、腸閉塞が疑われて、入院して石が見つかるケースがあるといいます。
ただ、痛みの強度は「石が詰まった際の痙攣の強さ」によって異なり、中には痛みのない人もいます。
また尿管が完全に塞がれて尿の逆流が起こると、 腎臓が腫れ(水腎症)、腎機能が低下して元に戻らない場合もあります。
さらに、あわてて救急車を呼んで病院に担ぎ込まれたものの、病院に着いた頃には痛みがなくなっていることもあります。

結石の痛みは万人に起こるのではなく、同じ人に何度も起こるのです。

小さい石のほうが突然の激痛を起こしやすい

もう少し、詳しく説明すると、尿管結石とは、尿の通り道の「腎盂(じんう)尿管」に石がある状態です。
典型的な症状は、突発する激痛で、この激痛は、腎盂や尿管に石のある時の症状で、膀胱や尿道に石がある場合には起こりません。尿路に感染のないかぎり発熱は伴わず、胆石、虫垂炎、腹膜炎などと違って、痛む箇所を押されても痛みはひどくなりません。

また、尿路結石は腎盂で育ち、尿管へと流れていきます。
そして、この石が尿の流れを突然止めると、激痛が発生します。ところが、尿が石の横を通って流れるようになると、石がそのままでも、うそのように痛みが消失してしまいます。面白いのは、痛みの度合いと石の大きさとはあまり関係がないことです。

むしろ、小さい石のほうが、痛みが起こりやすいようです。理由は、大きい石はあまり動けないので、その場でゆっくりと大きくなるだけで突然尿の流れを塞ぐことがないのに対し、小さい石は突然腎盂から剥がれて落ちてきて、尿管の細いところにつまるためです。

近年は内視鏡による治療が主流

診断は、尿検査で血尿(肉眼でわかるほど赤い場合と、顕微鏡でみるとわかる場合とがある)をチェックします。
さらに、レントゲン検査や超音波検査で、石が映っていたり、腎盂が膨らんでいたりする(水腎症)と診断がつきます。
痛みの発作が起きた場合には、痛み止めを注射します。

8割は、結石が小さいうちに尿路を通って、自然に体外に排出されますが、残りの2割は排出されぬまま大きくなって、治療をしなければならなくなります。

標準的な治療法としては石の大きさが小さいものは、自然排石を期待して様子をみます。
しかし石の長径が10mmを超えるか、幅が6mmを超える大きさのものは、自然に排石されることはまずありません。
石がだんだんに下に降りてきて、尿管から膀胱に落ちてしまえば、痛みから解放されます。そして、次の排尿の時に、尿と一緒に石が飛び出します。しかしながら、膀胱に石が落ちるにしても、どのくらいの日数がかかるのかについては予測不能です。

石が腎盂の出口や尿管につかえている場合には、それより上流が拡張してしまいます。腎盂が拡張しているのを放置しておくと、腎の実質が圧され薄くなり腎臓の機能が失われてしまうので、あまり長く自然排石を待つわけにいきません。

その場合には、体外で発生させた衝撃波で体内の腎結石を破砕する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で結石を砕いて小さくする方法を選択するのが長らく主流でした。

ESWLでも、麻酔は原則不要で、治療後すぐに歩行可能。食事もとれます。
粉々になった石は尿に混ざって数日中にでてきます。

しかし最近は、より確実に除石できる「内視鏡治療」が広がりつつあります。
また小さな結石では、α1ブロッカーの排石促進作用が注目されています。

内視鏡治療は経尿道的尿路結石除去術(transurethral uretero-lithotripsy:TUL)といい、尿道から内視鏡(尿管鏡)を挿入し、レーザー照射により結石を破砕して取り除く方法で
その普及の背景には、機器の進歩があると言われています。

TULは以前から、硬性と軟性の尿管鏡を使って施行されていました。
しかし硬性尿管鏡は体内で曲げることができず、治療適応となる範囲は下部尿管から中部尿管に限られるという問題がありました。

一方、軟性尿管鏡は体内で屈曲可能で、上部尿管や腎盂にも到達できますが、反面、硬性尿管鏡に比べて壊れやすく、可動域も十分ではなかったのです。

それが、ここ数年の間に軟性尿管鏡の高強度化や細径化、可動域の拡大などが進み、加えて、レーザー照射による結石破砕が可能になったほか、複数のワイヤー製のかご状のバスケットカテーテルによって、破砕した結石片を取り除けるようになりました。
従来のESWLでは破砕した結石片の自然排石を待つのに対し、TULでは結石片を術中に取り除けるため、より確実に除石できるというわけです

水分摂取と運動が大事

尿管結石の生活上の注意と予防法についてここでご紹介します。
結石の原因は人それぞれで、一概にはいえませんが、「水分の摂取量を多くする」「適宜な運動をする」の2つは、誰もに共通の予防法です。

食事は、カルシウムの入った乳製品、蓚酸(しゅうさん)の入ったほうれん草は控えるようにとよくいわれていますが、これは、尿の中にカルシウムや蓚酸が多量に出ている人にだけ必要な食事制限です。実際、食事中の蓚酸量より、体内の新陳代謝でつくられる蓚酸のほうがはるかに多いので、あまり神経質になる必要はないでしょう。

要は、偏らないで、水分を適度に摂取し、それにプラスして運動することが、一番の予防法と言えます。
尿管結石の「最強の痛み」を経験しないよう予防に努めましょう。

まとめ

・尿管結石の原因は、尿管の石の詰まり
・治療法の主流は、かつては、体外で発生させた衝撃波で体内の腎結石を破砕する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
・近年の主流は、経尿道的尿路結石除去術(TUL)という内視鏡による治療
・予防法はバランスのよい食事、適度な水分摂取と運動

突然の激痛が恐ろしい病気、尿管結石についてこの4点を覚えておいてください。

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